シルクスクリーン印刷 その本当の品質とは?

傘工房で取り扱っている名入れ傘のほとんどがシルクスクリーン印刷によるものです。
このシルクスクリーン印刷は様々な素材に対して用いられるものであり、精密機器(基盤など)や衣類などでも使われています。
金属やプラスチック、布など紙以外の素材に印刷できるという利点から非常にポピュラーな印刷方法として兼ねてから重宝されており、自宅でも簡単に印刷ができるという手軽さも相まって多くの方から親しまれている印刷方法です。
筆者が幼い頃に存在した「プリントゴッコ」も自分でシルク版を製販して手刷りを行うものでした。
製販時には専用の電球を用いるのですがその電球がピカッと光る様を今でも思い出すことができます。

傘工房においてはこのシルクスクリーン印刷を行うにあたっての注意点として「細かいデザインに適さない」「多色刷りに不向き」といった点をご案内しておりますが、これは実はシルク印刷それ自体の弱点というわけではありません。
シルク印刷はどちらかというと高精細な印刷が可能であることが特徴であり、それであるからこそ様々な素材、あるいは曲面への印刷を行うことができます。
また、多色刷りについても版画の要領で一色ずつ版を作ってそれぞれ他の色で印刷を行うことで鮮やかな多色刷りに仕上げることができます。

それではなぜ傘工房においては敢えてそのようなご案内をしないのか。
それはズバリ大量生産に向かないからです。
既にお気づきかもしれませんが、シルク印刷は基本手作業で印刷を行うもの。
印刷を行う素材に版を置き、さらにそこにインクを乗せ、スキージ(へら)で刷り込むといった作業を一回一回行っているのです。
作業は繰り返し行うものではありますが、印刷するアイテムはそのひとつひとつが一点もの。
失敗は許されないため、品質を保証する意味で先述のようなご案内を行っているというわけです。
多色刷りにおいても同様。
大量のアイテムに対して同じようなクオリティで何回も手刷りを行うのは至難の業。あくまでも数十本程度の小ロットであればあるいは可能かもしれませんが、数百本となると非常に気が遠くなる作業になってしまいます。

このようにメリットだけではなくデメリットもしっかりお伝えするのが弊社の義務でありモットーとするところでもあります。
少しでも気になる点がある場合はお気軽に弊社までお問合せください。