古き良き傘の歴史

古来から多くの人々にとってなじみ深い傘。
その歴史は非常に古く、時代に合わせて様々な形状・種類のものが存在します。
例えばここ日本においては傘は「こうもり傘」や「番傘」といったように少々ユニークな名称で呼ばれていました。
今でこそ「布傘」や「折り畳み傘」といったようにざっくりと分類されるこれらの傘ですが、具体的には現在の傘とどの部分が異なるのでしょうか。

□こうもり傘

明治時代に登場した布傘であり、現在流通しているタイプの原型ともいえる傘です。
開いた時の形状がこうもりが羽を広げている様に似ていることからこのような名前がついています。
主にイギリスで使用されていた傘がそのルーツとなっており、弊社で取り扱っている商品の中では「ベルドーム」タイプにその形状が似ているのではないでしょうか。
幕末時代には一部の武士の間で流行したようですが、そのことに敵意を持った攘夷志士たちがその傘を使用する武士を手に掛けるといった逸話も残されているそうです。

□番傘

こうもり傘からさらに時代を遡ることおよそ100年。
その当時、多くの人に愛用されていた傘が<番傘>です。
いわゆる和傘にあたるものではありますが、その大きな違いとしては「作りがシンプルである」「持ち手が竹の原木(そのままの太さ)である」「全体的に作りが無骨」という点があります。
繊細な構造である和傘に比べて量産性の高い番傘は一般にも広く用いられ、多くの人に愛用される傘となりました。

その他にも日本の傘には「蛇の目傘」や「舞傘」といったように多くの種類が存在します。
こちらについてはまたの機会にご紹介できればと思います。